足首の痛みが全然治らない!その原因と3つの対処法

岡田 哲也(おかだ・てつや)
足首の痛み

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「この足首の痛み、なんとかならないかなあ」
「捻挫してから何ヶ月も経つのになあ」
「足首に痛みがあるのに検査しても異常がない」

捻挫をしたこともないのに痛みがあったり、とっくに治っているはずの捻挫の痛みが残っていたり、そんな痛みを我慢しながらいつまで生活していくのか、不安になってしまいます。

そこでこの記事では全然治らない足首の痛み、また原因不明の足首の痛みに関して、原因をお伝えするとともに、その対処法について考えていきましょう。

1. 足首の痛みの原因

1) 稼働力を知ろう〜身体がどれだけ働いているか

検査でも異常のない足首の痛みや、捻挫などの怪我をした後のなかなか治らない後遺症の原因には、身体組織各部の稼働力が関与しています。

稼働力とは、ある人の持つポテンシャルのうち、今その時に発揮できている力を表します。たとえば、ある動作をする時に使う筋肉のもともと持っている最大筋力が10だとした時、ある時ある場所で精一杯だしうる筋力が半分ぐらいの力だとすれば、その時のその人のその動作に対する稼働力は5ということになります。

また身体中の組織、たとえば内臓や骨、関節などにもそれぞれ稼働力は存在するのですが、ここでは特に筋肉に関しての筋力についてご説明します。

ご存知ですか?

いつでも常に最大筋力を発揮できる人なんて一人もいません。その時の環境や条件などで、筋肉のみならず、身体中の組織の稼働力は変化します。

また、全体としての稼働力もあれば、身体組織各部にもそれぞれ稼働力があります。身体を構成しているパーツそれぞれに個別の稼働力があると考えてください。

2)稼働力と身体のバランス

たとえば、「歩く」という動作に対する右足の稼働力が6で、左足の稼働力が4だとします。

左右のバランスが整っていない状態です。

普通に考えれば、左右で違う仕事をしているわけですから真っ直ぐに歩けないと思うでしょうが、人間の身体はそんなに単純なものではありません。

脳がその状態を認識して、左右の足のバランスの乱れがあるのなら、身体のどこの稼働力をどれくらいにすれば真っ直ぐに歩けるのか瞬時に計算し、身体各部に指令を出して、ちゃんと真っ直ぐに歩けるように動かしてくれるのです。

簡単に言えば、下半身のバランスの悪さを、上半身などのバランスを悪くすることで全体としてのバランスを保っているというようなことです。

バランスをとって歩く

その結果、稼働力の上がっている部分があったり、稼働力の下がっている部分があったりと、身体の中にムラができてしまいます。
ある部分は必死で頑張り、ある部分は気を抜いてサボっているというようなことが身体の中で起こっています。

これが身体のバランスの乱れた状態です。

このバランスの悪い身体の状態は、怪我をしやすい状態でもあり、怪我が治りにくい状態でもあり、また身体にかかる負担のために原因不明の痛みが発生しやすい状態でもあります。

そして足首は、身体を支える基礎基盤であり、身体の重みを一番支えなければならない部分であり、また身体の様々な動きに対応する必要のある部分であるために、身体のバランスの乱れの影響を受けやすい部分なのです。

あなたの足首の痛みが治らないのはバランスの乱れから来ているのかもしれません。

3)身体のバランスと痛みの関係

あなたの身体は決してバランスが整っている状態ではありません。自覚はないかもしれませんが、必死でその身体を支えています。全身のいろいろな部分を緊張させて、自分自身の身体をなんとか維持しようと頑張っています。

そんな時、特に頑張っている部分には痛みや張りを感じます。

ちなみに足首の痛みだけではなく、肩こりや腰痛、そして頭痛などの原因もほとんどがこの身体のバランスの乱れです。

左右の身体のバランスの乱れがある時、身体を支え負担のかかる足首には痛みが出やすくなります。また怪我もしやすく、捻挫などをした場合に治りにくい状態でもあります。

そして、バランスとは左右の問題だけではありません。上下前後左右、三次元的に複雑に身体を支え、動かす力がこのバランスには関与しています。

たとえば、身体を支えるというこの仕事は足首だけがしているのではなく、ふくらはぎや膝、太ももや股関節、お尻や背中というように全身で全身を支えているのです。

この身体を支えるということに関わっているすべての部分が、いつもちゃんと仕事をしているかといえば、なかなかそうはいきません。

残念なことにサボっている部分もあるのです。

社会の仕組みと同じで、誰かがサボれば、誰かが頑張らなければいけなくなります。そして、その状態が続けば黙って頑張ってくれていたその誰かはついに悲鳴をあげます。

「いい加減にしてくれよ!」というふうに。

たとえば、ふくらはぎや膝、そして太ももや股関節がサボってしまったら、足首には相当な仕事が回されてしまいます。必死で身体を支えなければならなくなります。その仕事に、その時の稼働力以上のちからが必要となった時、足首は悲鳴をあげます。

「!!!」

しかし、足首は叫ぶことができませんから、その代わりに「痛み」を出して訴えるのです。

足首の痛みが治らない原因が見えてきましたね。

4)稼働力と痛みの関係

もう一度、筋力と稼働力の関係を確認しましょう。

まず筋力はその人が潜在的に持っている力です。
その筋力のうち、その時その場面で使うことのできる力が稼働力です。

筋力はトレーニングなどで筋力アップをしたり、怠けると筋力は低下したりしますが、瞬時に変化することはありません。

それに比べて稼働力は体調やその時の気分、環境などで瞬時に変化します。
体調のいい時は力が出るし、気分のすぐれない時は力が出ません。

またアスリートの成績や結果のばらつきや、スランプなどもこの稼働力の変化によるものです。
そして実際に必要な筋力は、実際の重さプラス動きを支えるために必要な力です。たとえば歩く時には、自分の体の重さに加えて動きによる衝撃の力がプラスされます。

これらを考慮して、痛みを説明します。

「稼働力>必要筋力」の場合は痛みが出ません。
余裕の持てる身体の使い方は無理が生じません。

しかし、
「稼働力≦必要筋力」の状態が続くと痛みが出ます。

いつもいっぱいいっぱいで余裕のない状態か、また無理な身体の使い方をすると、身体が壊れてしまう前にセンサーでお知らせしてくれます。

それが、痛みです。

つまり、足首の痛みが取れない時には、身体がそのような状態になっているということです。

左右のバランスの乱れによって、頑張っている足首は痛みを出してお知らせするし、またサボっている足首もまた、すぐに必要筋力が稼働力を超えてしまいますので、やはり痛みが出る状態であると言えます。

2.治らない足首の痛みへの対処法

原因不明の治らない足首の痛みの原因、それは身体のバランスの乱れです。身体のバランスの乱れの原因は、身体の筋肉の稼働力のムラ。
つまり、そのムラを無くすことで、結果的に身体のバランスは整い、痛みも無くなります。

1) 片方の足首に痛みがある時

痛みのない方の足首を回します。
くるぶしの周りを押さえるように刺激しながら手でつかんでぐるぐる回します。

くるぶしを押す足首を回す足首を回す2

膝の関節を刺激します。

膝の関節を刺激する

股関節を回します。

膝の関節を回す

痛みのある方の足首も、痛みを感じない程度に少し回してみましょう。
膝と股関節は痛みのない側と同じように動かします。
痛みのある足首だけに負担をかけないように、他の部分の稼働力を上げてムラを無くすという意識を常に心がけてください。

2) 両方の足首に痛みがある時

身体全ての稼働力が低下していることが疑われます。
まず身体全体のスイッチを入れるために身体を山折りにします。

3) それでも痛みが取れない時は

身体をうまく使えるようになると、足首の痛みは無くなります。
身体の大きな筋肉は、意識して動かすことでスイッチが入り、稼働力は上がります。しかし、小さな筋肉もうまく使わなければ、身体全体の稼働力は上がりません。特に足の筋肉にはサボらず働いてもらわなければ、足首への負担は無くなりません。足の筋肉の隅々にまでスイッチを入れるための方法をご紹介します。

指先立ち:爪先立ちならぬ、そのもう少し先の指先で身体を支えてみましょう。ゆっくりと片足ずつ、親指から小指、小指から親指と、一本ずつ意識しながら力をかけていきます。

つま先立ち

足指グッパ:足の指を使って、グーとパーを繰り返します。

つま先グーパー

足の指を使う時には、足の指の筋肉だけが働くのではなく、徐々に力を入れていくことで、ふくらはぎや太ももやお尻、そして背中の筋肉までが動くことを感じられると思います。これで足全体の稼働力が上がり、足首への負担は減少していきます。負担が足首の稼働力の範囲に収まると痛みは無くなります。

3.まとめ

「足首の痛みが治らない!」とずっと悩まされている人にとっては、こんなことで本当に良くなるのだろうかと思われたかもしれません。しかし、身体全体の稼働力を上げて、身体のバランスを整えることで、大体の原因不明の痛みは無くなります。特に足首は身体を支える重要な部分ですから、記事の内容をよく見て実際に試してみてください。
痛みはカラダの声。身体が壊れる前に、お知らせをしてくれているのだということを忘れないでくださいね。

身体出力を上げる脳が望む身体の使い方!|Brain's Consensus Communications

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