腰痛の原因は悪い姿勢?筋肉の緊張?誰も気づかなかった根本原因とは

岡田 哲也(おかだ・てつや)
腰痛の原因と改善

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とにかくこの腰の痛みが一時的にでもなくなってくれればいい!強い痛みが続く時にはそう思います。痛くても動けるぐらいならいい。動くときだけでも少し痛みが取れればいい。

なんか目標が下がっちゃってますね。

しかし、一時的に痛みが治まったとしても、またいつ突然痛みに襲われるのかという恐怖をずっと感じていたり、強い痛みが治まっていても何かスッキリしなかったり、不安な毎日を過ごされているのではないですか?

もう好きなスポーツができないのではないか?

一生この痛みと付き合わなければいけないのか?

姿勢が悪いからと言われて極力いい姿勢を意識しているのに、一向に良くならないどころか、ますます痛みが強くなってくる。

腰の筋肉の過緊張が原因だと言われてマッサージをしてもらっても、一時的に良くなるだけで不安は続くばかり。

腰痛は治らないのでしょうか?

この記事では、腰痛の根本原因とカラダの効率的な使い方を紹介し、これまで誰も気づくことのなかった、「慢性の腰痛を改善するための唯一の方法」を紹介します。

1. これが腰痛になる理由

腰痛と姿勢

1−1 腰痛の原因は姿勢が悪いから?

腰痛の原因をネットで検索されたことが一度はあると思います。

実際に腰の症状が改善せずに皆さんを悩ませ続けているところを見ると、ネット上で氾濫している情報は間違っているのかもしれません。特に「姿勢が悪いから腰痛になる」というのは、冷静に考えれば間違いだと気づくはずです。

今、痛みが和らぐ楽な姿勢をすると、背中が丸まったり、左右どちらかに体が傾いたりして、その姿勢は決していい姿勢だとは言えないと思います。

逆に背筋をピンと伸ばしていい姿勢をしてみてください。その状態を維持できますか?腰の痛みが増してきませんか?

いい姿勢をしようとして無理をしないようにしてくださいね。

今のあなたにとって、「良い姿勢」は「無理な姿勢」なのです。

「姿勢が悪いから腰痛になる」というのは間違いで、実際には姿勢を良くしようとするから腰痛が改善しないのです。

姿勢は無理に良くしようとするのではなく、自然に良い姿勢になるようなカラダの使い方をするべきなのです。

その方法は後ほど紹介します。

1−2 腰痛の85%が原因不明!?

腰痛は、原因が特定できる「特異的腰痛」と原因の特定できない「非特異的腰痛」に分けることができます。現状では特異的腰痛は全体の15%、原因の特定できない非特異的腰痛はなんと85%ということです。

つまりほとんどの腰痛は原因不明だということです。特異的腰痛とは、腰部椎間板ヘルニアや腰部脊椎間狭窄症などの整形外科の疾患に加えて、内科系疾患やがんなども腰痛の原因となります。

しかし、整形外科の疾患の中でも、例えばCTやMRI画像で明らかにヘルニアがあるにもかかわらず、実際に痛みを訴えることのない無症状の例や、また逆に画像では全く異常がないにもかかわらず痛みなどの症状を訴える例もあるようで、特異的腰痛と診断されたといえども、正確に原因が特定できているのかは疑問です。身体の変化や異常と痛みなどの症状は決して単純な関係で解決できるようなものではないようです。

1−3 筋肉の過緊張が原因?

『「姿勢が悪いから腰痛になる」は間違い!』という言葉があると、目が止まりますよね。多くのWEBサイトが悪い姿勢を腰痛の原因としていることに反しているわけですから、かなり期待をしてしまいます。実際に、「姿勢が悪いから腰痛になる」は間違いです。本当の原因が他にあるのです。

しかし、そのあとの情報を読みすすめていくと、共通して出てくる内容は、腰部周辺筋肉の過緊張。つまり腰の周りや腰を支える筋肉が頑張りすぎていることが原因だということです。

残念…がっくりしちゃいませんでしたか?

筋肉の張りを改善するにはマッサージや鍼灸ですか?

でも、散々行き尽くしたのではないですか?

また、いまだに通院し続けているのではないですか?

それで満足できている人にとっては、それ以上の情報は必要ないはずですから、そもそもこのサイトをご覧になってはいないと思います。

一時的に改善しても、またいつ痛み出すか不安でたまらない、とにかくスッキリとできない、これでは本当に良くなったとは言えないですよね。

確かに痛みの出どころは、その緊張しすぎている筋肉なのかもしれません。凝り固まった腰の筋肉を実際に揉みほぐしたり、鍼灸などの刺激によって弛緩させたりすることで、一時的な痛みは緩和します。

しかし、それが根本的な原因ではないということは、なんとなく気づかれていると思います。

なんとか歩けるぐらい痛みが改善した。

痛みはあるけど仕事ができるから大丈夫。

腰痛の原因は姿勢ではなく、筋肉の緊張が原因だから、その緊張をほぐしてもらえば大丈夫。

これで本当にいいのでしょうか?これでは、いわゆる腰に爆弾を抱えた状態で妥協しているのではありませんか?

1−4 筋肉が緊張する原因は?

筋肉の緊張を緩めるということは、ただ単にその筋肉を揉みほぐせばいいというような安易なことではありません。

必ずその筋肉が緊張しなければいけない理由が存在しています。

腰痛の場合、特に大腰筋の過緊張が原因だとされる場合が多いようですが、これもまた根本原因ではありません。大腰筋が頑張りすぎてしまうことにもちゃんと理由があるはずです。ネットではなぜか大腰筋の過緊張の原因は、“姿勢”だとされています。同じ姿勢を続けることで大腰筋が縮んで硬くなってしまうということなのです。

でもちょっと待ってください。

腰痛の原因である大腰筋の緊張の原因が姿勢だとするならば、腰痛の根本原因は「姿勢」ということに逆戻りしてしまいます。

大腰筋に限らず、筋肉が緊張した状態、言い方を変えれば頑張らなければいけない状態になるにはそれぞれに必ず理由があります。

つまり、この理由が腰痛の肉体的な根本原因であると言えます。

特定の筋肉が必死で頑張らなければいけない状態。

これを改善することで、筋肉が頑張る必要もなくなり、その結果、腰痛の症状も解消するのです。

2.これが腰痛の根本原因

腰痛の根本原因

2−1 不安定な人間の体

まず人間は、かなり不安定な物体であるということを理解してください。

多くの生き物の中でも四つ足歩行ではなく完全二足歩行だということ。

二本足で立つことのできる生き物、例えば鳥のようにバランスをとることに役に立つ羽もなく、ペンギンのようにずっしりと下半身が重たいボトムヘビーで安定した体でもなく、チンパンジーやゴリラのように体を支える筋肉が発達しているということもありません。その上、細い首で重たい頭を常に支えているという、建造物ならば耐震性ゼロの最低最悪の構造をした不安定な物体なのです。

しかし、我々は立ったり座ったり歩いたり跳ねたりします。

時々、倒れたりこけたりはしますが、常にその体を支えて維持しています。

それもそんなことを自覚することもなく。

我々人間は、この不安定な体を、特に意識することもなく24時間休まずに支えているのです。立っている時も座っている時も、寝ている時も、です。

そんな時に身体中の全ての筋肉が、お互いに干渉しながら、この体を支えるために働いているのです。

2−2 体を支えるために特定の筋肉が頑張らなければいけない理由

「腰痛の原因が特定の筋肉の過緊張である」ということは腰痛の根本原因ではありません。つまり、その特定の筋肉が頑張らなければいけない原因がまたそこに存在するからです。体は全身にあるたくさんの筋肉と骨格で支えられています。もちろん骨に力が入って硬くなったり、急に緩んで曲がったりということはありません。

問題は筋肉です。筋肉は縮んだり緩んだりします。力が入っている時には縮みます。これを収縮と言います。力を抜いている時には緩んでいます。これを弛緩と言います。

自然に立ったり座ったりしている時に、それぞれの筋肉が、きちんと自分の役割を果たしている時には、ある特定の筋肉が収縮しすぎることはありません。全ての筋肉がほどよく収縮し、また弛緩しているからです。

うまくバランスの取れている状態です。

しかし、常に体のバランスをいい状態で保てる人はほとんどいません。

さまざまな影響を受けて体の状態は変化し、バランスが悪くなってしまいます。

ただでさえバランスの悪い物体である人間の体が、機能的にもバランスが悪くなった時、それはもう大変な力でこの物体を支える必要性が出てくるのです。

そんなことを意識したことはないと思いますが、皆さん自覚なく身体中を駆使して必死で頑張っているのです。

そして、中でも首の周辺と腰の周辺の筋肉は、人間という物体の構造上、常に力を抜くこともなく頑張ってくれているわけです。

2−3 痛みのある筋肉を緩めてはいけない

なぜ痛みが出るほど収縮してしまうのか?

それはその必要があるからです。

体全体を一つの組織と考えた時、誰かが休めばその分また別の誰かが頑張って働かなければなりません。みんなで助け合って、一つの組織が成立するわけです。

そんな時に、代わりに頑張ってくれているその誰かを無理やり休ませてしまえば、当然のことながらその組織はつぶれてしまいます。

これを体に置き換えてみればいいのです。

痛みのある部分は、頑張ってこの体を必死になって支えてくれているのです。

体を維持するために頑張って収縮している筋肉を無理やり緩めてしまうようなことは、この体という組織がつぶれてしまっても構いません、と言っているようなものです。

まあ、現実には体は馬鹿ではありません。

たとえ無理やり緩められても、必要があればまたすぐに収縮して頑張りだします。つまりまた痛みが復活してしまうということです。これを一般的には症状の再発と言っていますね。

2−4 姿勢を良くしてはいけない

体全体の筋肉が無理なくムラなく働くことで自然といい姿勢を維持できるようになります。しかし、左右の筋肉の働きにムラがあれば、当然体は左右のどちらかに傾いてしまいます。しかし、そのムラのある状態では傾いた状態が楽な姿勢であり、無理のない姿勢ということになります。

体に筋肉の異常な収縮や弛緩というムラがある状態では、いい姿勢はさらに体に負担をかけることになります。

痛みが増してしまうということです。

例えば背中の筋肉が弛緩しているために腰周辺の筋肉が過剰に収縮して痛みが出ている場合、その時の楽な姿勢は、俗に言う猫背です。そんな時に、背筋を伸ばして無理やりいい姿勢をするということは、過剰に収縮している筋肉がさらに収縮して、痛みが強くなる可能性があります。収縮して頑張っている筋肉は、特に働きかけなくても頑張り続けてくれますが、一度緩んでしまった筋肉は、まずその弛緩した状態に気づくことが重要なポイントになります。

実はこの緩んでいる筋肉の状態が腰痛の根本原因です。

3.これが腰痛の改善方法

腰痛の改善方法

3−1 根本原因にアプローチする

腰痛の根本原因は、ある特定の筋肉を過剰に収縮させて、痛みを出す原因を作ってしまった緩んでいる筋肉です。そこに痛みはありませんから誰も気づくことはありませんでした。

収縮して頑張っている筋肉を緩めるのではなく、緩んでいる筋肉に働きかけて自然に収縮させてやることが必要です。

言い方を変えれば、痛みのある筋肉を無理やり緩めるのではなく、自然に緩む身体環境にしてあげればいいのです。

本来アプローチするべき部分は、痛みのある腰ではなく、筋肉の弛緩している部分です。

たとえば左右どちらかの足の筋肉が緩んでいると、そのバランスをとる負担が腰の周りの筋肉にかかります。また左右両方の足の筋肉が緩んでいると、体を支えるために腰にかかる負担は相当なものです。

下半身だけではありません。

上半身の、特に背中の筋肉が緩むこと、緩んだ上半身を支えるのは腰周辺の筋肉です。

体のどこが緩んでも、腰にはかなりの負担がかかってしまうようです。

しかし、弛緩した筋肉をどうやって知ることができるのでしょうか?

3−2 弛緩した根本部位を見つける方法

体を支えるために必死で頑張ってくれている筋肉の思いを無駄にするのではなく、特定の筋肉が頑張らなければいけないというその原因を作っている弛緩した筋肉、言い換えればサボってしまっている筋肉を見つけてみましょう。

サボっているといえば「えっ?!」と思われるかもしれませんが、実際に力の入らない筋肉、うまく力を入れることができない筋肉があるはずです。サボらせようと思ってサボらせているのではないとは思いますが、実際にチェックをすればすぐにわかります。

ただしこれにはもう一人パートナーが必要になります。

力が入るのか、入らないのかという判断は結局自分自身で決めることですが、

やはり客観的な判断が必要になってきます。

そして、緩んで力が入らない筋肉がわかれば、意識してその力の入らないと思っている動きを何度もしてみたり、その筋肉やその筋肉がくっついている関節を刺激したりすれば、緩んで力の入らなかった筋肉は不思議なくらいすぐに力が入るようになります。

緩んでいた筋肉が働き出せば、今まで痛みの原因だと間違われていた筋肉も必死で頑張る必要がなくなり、自然と緩みだします。

その結果、痛みは和らいでくるのです。

3−3 わからなければ体を「山おり」にする

チェックのやり方がよく分からないし、身近にパートナーがいない時、とっておきの方法があります。

それは「山おり」です。

姿勢をよくしようとする時に、縦に背中をそらそうとするのではなく、背中の真ん中に肩甲骨をよせるようにして横に使うのです。前から見ると山おりになります。一枚のぺらぺらの紙は自立できませんが、二つに折って山おりにすることで簡単に自立させることができます。これを自分の体にしてあげるだけです。

体を山おりにしたとたん、今まで緩んでいた筋肉に力が入るようになります。その結果、特に頑張って体を支えてくれていた筋肉が緩み、痛みが緩和します。

試してみてください。

体の使い方を、「タテから横に変える」それだけです。

3−4 大切なことは脳に逆らわないこと

「腰痛の85%は原因不明」ということが意味していることは、脳が知らせたり、注意警告を発したりしているその状態に全く気づいていないということです。

姿勢の悪さが腰痛の原因ではないということは、冷静に考えれば分かってきます。痛みが出るから姿勢が悪くなるわけですから、その姿勢をよくしろということは、脳に逆らっていることになります。

脳に逆らうことで、必ず痛みや症状は強くなります。

「痛み」それ自体が、実は脳からの注意警告なのです。

 

「体の使い方が間違っていますよ!」

「体のバランスが悪いままで動いてはいけません!」

「緩んだ筋肉があるのでこのままではダメですよ!」

などと、言うかわりに「痛み」を出してお知らせです。

 

また「原因はある特定の筋肉の緊張です。その筋肉をゆるめるためのマッサージをしましょう」というのも間違い。

体を支えるために痛みが出るくらいぐっと力を入れて頑張っているのには、ちゃんと訳があるのです。痛みの出ている体の持ち主であるあなた自身は気づいていなくても、あなたの脳はすべてわかった上で体をコントロールしています。痛みは辛いですから気持ちはわかりますが、その支えるための収縮をゆるめてしまおう!なんてことは脳に逆らっていることになります。

無理やり姿勢を良くしようとしたり、痛みをほぐしたりするのではなく

自分自身のカラダの声を聞き、逆らわず、体を上手に使うこと。

これが腰痛を改善して、スッキリするためのポイントです。

4.まとめ

原因が特定できる腰痛はほんのわずかで、85%の腰痛は原因不明だそうです。

これは、すでに5年以上前から言われていると思いますが、進展はないようです。

シンプルに考えて、ほとんどが原因不明だということは、現在の腰痛に対する考え方や治療法は一旦リセットして、ゼロから考え直したほうがよさそうです。

「痛みを取る」という対症療法が、おそらく一番通用しない症状なのかもしれません。

「なぜ痛みが出ているのか?」そこからもう一度考え始めてみませんか?

そうすることで、びっくりするほど簡単に痛みから解放されるかもしれませんよ。

身体出力を上げる脳が望む身体の使い方!|Brain's Consensus Communications

「痛みが和らいだ!」
「いい情報だった!」

と思われた方は、
ぜひご友人やご家族にも教えてあげてください。

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