無意識のうちに体のバランスを調整することで自律神経を整えている人がいます。無意識にできないからといって諦めることはありません。夜、寝る前、朝、起きた後、それぞれたった5分の誰でもできる運動で自律神経を整えることができるのです。ぜひ毎日の習慣にしてください。
1. 寝る前、起きた後の5分の運動で自律神経を整え、健康になる
1-1.体のバランスは誰でも意識すれば整えられる
病気にならない人は、無意識のうちに体のバランスを整え、適度な交感神経からの反射を利用して副交感神経優位の状態を保っています。
しかし、無意識にできないからといって諦める必要はありません。それを意識的に行えばいいだけの話です。
そこで、痛みのない毎日を送るため、病気にならない人になるために、普段から行っておきたい体の調整方法や症状別の体の調整方法をご紹介します。
といっても大変なことではありません。
5分もかからない簡単な運動で体のバランスは調整できるのです。
注意点も運動を行う時は、「全体を整える」という意識を持つことだけです。
2.就寝前の運動
2-1.就寝前の運動で体のバランスを整える
まずは就寝前の運動です。
就寝前は日中に乱れた体のバランスを整えます。
体のバランスの乱れやすい箇所は、日中、どのような姿勢で体を支えていたかによって異なります。サラリーマン、学生、主婦など、それぞれのライフスタイルによって体の動かし方は異なるので、バランスが乱れている箇所も異なりますが、ここではおおまかに、「立っている時間が長い人」、「座っている時間が長い人」と分けて説明したいと思います。
2-2.立っている時間が長い人の体のバランスの調整方法
まずは立っている時間が長い人の体のバランスの調整方法です。
立っている時は、足で全体重を支えています。そのため、下半身のバランスが悪いと体全体のバランスが乱れやすくなります。
つまり、立っている時間が長い人が調整するべき箇所は、足首と股関節の2ヵ所です。
ここで確認しておきますと「各パーツのバランスが乱れる」=「各パーツだけに異常がある」ではありません。一部の乱れが全体に作用しています。
さて、調整方法は次の通りです。
立っている時間が長い人
- 椅子に座り、足を組みます。
- つま先を持ち、足首を時計回り、反時計回りに、それぞれ10回ずつ回します。反対の足も同様に行ないます。
- 次に股関節を調整します。腿を上げ、足を地面から離します。
- 膝で大きな円を描くように、足を時計回り、反時計回りに、それぞれ10回ずつ回しましょう。反対の足も同様です。
2-3.座っている時間が長い人の体のバランスの調整方法
次に座っている時間が長い人の調整方法です。
座っている時は、足よりも腰や股関節で体重を支えていますので、腰や股関節のバランスが乱れやすくなります。
つまり、座っている時間が長い人の調整箇所は、腰、股関節の二ヵ所です。調整方法は次の通りです。
座っている時間が長い人
- まずは腰の調整です。背筋を伸ばして椅子に座り、上半身を左右に10回ずつひねります。
- 次は股関節の調整です。腿を上げ、足を地面から離します。
- 膝で大きな円を描くように、足を時計回り、反時計回りに、それぞれ10回ずつ回しましょう。反対の足も同様です。
就寝前の運動は、これで終わりです。
このわずかな運動だけで、一日の体のバランスの乱れはほとんどリセットされます。
そして、就寝前に体がスッキリとした状態になるので、寝つきもよくなりますし、睡眠が深いので、目覚めもよく疲れもとれやすくなるのです。
体を調整する際、1つだけ注意があります。
足首や股関節、手首などを動かす回数は、1回の運動で10回までとしましょう。
バランス調整のためとはいえ、やりすぎは禁物です。
3.起床後の運動
3-1. 起床後の運動で体のバランスを整える
次は起床後の運動です。
起床後は睡眠に乱れたバランスを整えるというイメージです。
寝る前に整えたのに、もう調整するの?と疑問に思った方もいるのではないでしょうか。
就寝中は体が休んでいる状態なので、動きが制限されています。そのため、日中、無意識にある程度行っている体のバランス調整があまり行われません。起床後は必ずといっていいほど、体のバランスが乱れた状態になっています。
起床後に調整をせず、体のバランスが乱れたまま会社や学校に行くと、体が思うように動かずに能力が十分に発揮できなかったり、さらに体のバランスを乱して、痛みやだるさといった症状が現われたりします。
そのような事態を防ぐためにも、起床後、しっかりと体のバランスを整えることが必要なのです。
起床後の体の調整は、日中のライフスタイルにかかわらず、どの人も同じ調整方法を行ないます。寝ている時は、おもに首や腰、股関節に体重がかかります。
3-2.起床後の体のバランスの調整方法
調整方法は次の通りです。
起床後の運動
- まずは首の調整です。できるだけ大きな円を描くように、ゆっくりと首を回してください。時計回り、反時計回りに、それぞれ10回ずつ回します。ただし、寝違えた時など、首に痛みを感じる時は無理をしないでください。その場合は、先に股関節の調整をし、それで痛みがなくなったら、できる範囲でもう一度、首の調整に挑戦してみてください。
- 次は腰の調整です。背筋を伸ばして椅子に座り、上半身を左右に10回ずつひねります。
- 最後に、股関節の調整です。腿を上げ、足を地面から離します。
- 膝で大きな円を描くように、足を時計回り、反時計回りに、それぞれ10回ずつ回しましょう。反対の足も同様です。
どの運動も10回と書きましたが、もしそれより少ない回数で体がスッキリした感覚を得られたのならその回数で大丈夫です。
まずは、この一連の運動を、できるだけ毎日、無理しない程度に続けてみてください。必ず体に何かしらの変化があるはずですし、これだけでは病気にならない人へと大きく近づけるのです。
4.運動前には準備体操を、運動後には整理体操を
4-1.運動は本当に体にいいの?
仲のいい友人たちとゴルフやサッカーなどのスポーツで汗をながしたり、朝の清々しい空気に包まれながら、ジョギングやウォーキングをしたりするのはとても気持ちのいいものです。
運動が生活習慣病の予防につながると言われ始めたこともあってか、最近は体を動かすことを趣味にしている人が増えているように感じます。
しかし、体のバランスという観点からみると、決してスポーツは体によいものではありません。どのスポーツでも、体の左右対称に使うことはありませんから、無理な体勢を強いられ、必ず体のバランスは乱れます。
もし、日々の生活の疲れやストレスで、すでに体のバランスが乱れていたならば、スポーツを通じて体にかかる負荷は大きなものになります。
健康のために体を動かしたつもりが、逆効果ということもありえるのです。
まず、運動を楽しむ前には準備運動をしっかりと行い、体のバランスを整えましょう。いきなり走ったり、激しい運動をしたりは禁物です。ゆっくり体のバランスを整えることを意識しながら準備運動をしてください。
4-2.これだけで大違い!準備体操と整理体操で気をつけること
私は、大学までラグビー部でした。先日久しぶりに大学の練習に顔を出した時に、準備運動が終わった部員たちの体のバランスをチェックしてみました。
しかし、ほぼ全員どちらかの腕または足の力が入らない状態だったのです。
その場で体のバランスの話をしました。そして、意識して準備体操をすることの大切さを伝え、もう一度軽く準備体操をしてもらいました。すると全員の筋力が明らかにアップしていました。
体のバランスを整えてから運動することは、自分の能力を100パーセント発揮することにもつながります。また、運動後は必ず整理体操を忘れずに。スポーツで乱れた体のバランスを整えてください。
意識をして準備体操と整理体操をする。この二点に気を付けて、スポーツを楽しんでください。
まとめ
夜、寝る前と、朝、起きた後のたった5分の誰でもできる簡単な運動で、痛みから解放され、病気にならない体になれるのです。
たった5分でいいので、毎日継続することがいちばん大切なことです。
やり過ぎに注意しながら、夜、寝る前と、朝、起きた時の毎日の習慣にぜひしてください。
また、運動も同様で過度な運動は体のバランスを壊すので、運動もやり過ぎに注意してください。
運動前の準備体操、運動後の整理体操も必須ですが、ただやるだけでなく体を意識しながらやるだけで効果も大きく違ってきます。
運動で壊れた体のバランスを体を意識した整理体操で整えることを忘れないでください。